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【フィンランド】 あぁ、私寂しかったんだ

2007年07月31日 13:56

CIMG1645.JPGフィンランド名物と言えば、サウナ。
宿のサウナは最上階にあり、朝6時から4時間営業している。
1日の始まりにひとっ風呂(ひとっサウナ?)浴びることにする。


不思議に思っていた宿の鍵。プラスチックに穴が開けてあるだけで磁気もない。
そうか、サウナの中にまで持って入れる鍵ってわけね。
私の他には誰もいない。


今日も雨。日中気温14度。どこが夏なんじゃ!!
北部に世界遺産観に行きたかったのになぁ。
街の閑散とした雰囲気と相まって、全然気分が乗ってこない。
でも、もうそろそろテンション上げたい。
ヘルシンキのど真ん中、駅周辺まで行こうと立ち上がる。
外は強い風雨、折り畳み傘がキノコになる。


小学校くらいのときに背伸びして読んだ「ザ・ギバー―記憶を伝える者―」という本を思い出す。
確か書いたのはロイス・ローリー。
人々は、人類の英知の結果生み出された苦痛も個人差も差別も全くない理想郷に住んでいて、
そこに出てくるクリーンでプレーンな世界観がまさにこの街にぴったり。


記憶を受け継ぐ者に選ばれた主人公は、この理想郷が本当に幸せな場所かどうかを悩み、
最終的に人々に本当の意味での喜怒哀楽の感情を取り戻そうとしたり、
差を無くすため白と黒しか存在しなくなっていた世界に色を取り戻そうとする。

そう、世界観は似ているとは言っても、あの話と最も違うのはこの街の色遣い。

ヘルシンキのあちこちに見られる色彩はなんと表現したらいいのか。
プラスチックっぽい…というのも何だか違うし、うーん、北欧っぽい色調、という表現がぴったり…(笑)
ボキャ貧であきまへんなぁ。

アジアの色調がどこか灰色がかったり茶色がかったりしていると言えるなら、北欧では明彩色にうっすら水色がかっているというか。ちょっとファニーな色というか。




CIMG1627.JPGトラム(路面電車)が街の色彩の象徴である。
人は少ない一方で、歩いていると10秒に一度は視界のどこかしらに路面電車が入ってくる。
少しおもちゃっぽいグリーンとベージュではあるがクロネコヤマトのトラックによく似ていて、それを見ると条件反射のように、あぁ今日おばあちゃんから宅急便来るかなぁと心待ちにした幼い頃が蘇る。

…なんか昨日から昔のことばかり思い出すなぁ。あかんな。ノスタルジックになり過ぎや。




目を楽しませたくて、ヘルシンキらしい色彩を求めて雨の中をあちらこちらへと歩く。

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駅近くの郵便局に入る。




距離感0.7の中でこの恥ずかしムービーを撮ったら、何かが吹っ切れた。


元気無くしてる場合じゃない。

はにかんでてもしょうがない。


0.7は四捨五入すれば1になるわい。


現場主義って決めたんやないんか!




ここから人物取材に切り替える。
カメラを出してニッと笑えばポーズを撮ってくれるようなアジアのノリとは全然違う。
彼らフィンランド人をびっくりさせてはいけない。挨拶して、きちんと許可をとってから。

写真を撮らせていただけないですか、と言うと、みな一様に驚いて、なぜ? と聞く。
でも、あなたの服が素敵だから、あなたの髪型がキュートだから、ときちんと言うと、OKをもらえることもあるとわかってくる。

とにかく声を掛けまくる。

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こうしてよく見るとなんてお洒落な人ばっかりなんだろ。人口少ないのにクオリティ高!
来る人来る人みんな被写体になり得るこのセンス。
ちょっと楽しくなってきた。
フィンランド入りしてから、やっと調子出てきましたよ自分。

それでも5回に2回は断られた。
めげてもしゃーない。だって0.3の分があるんだもの。


そのうちに、彼らが着ている赤色にすっかり惚れ込む。

が、しかし、こんな青味がかった赤トーンはプラチナブロンドの髪にしか似合わない(アジア人が着ると色褪せてるように見えちゃう)。残念。

CIMG1729.JPG妥協してこんな色のキャミソールを買う。
ALE(フィンランド語でSALE)中で5ユーロ≒900円。
下はチベットで買ったターコイズ石のネックレス。チベット人売り子の携帯電話メニューを英語から中国語に切り替えてあげて仲良くなり、相当お得に手に入れた。
同じ青系でも北欧とアジアじゃやっぱり色味が全然違う。

フィンランド人には値切りなんて通用しないだろうな。
買い物のとき店員も私も真剣にファイトするあの感覚。
どこもかしこもカード払いができる店ばかり(為替手数料かからないから助かるけど)の中で、不審者扱いされるのがオチ。


色彩センス、脱帽モノ。
この悪天候をフィンランドの長い冬に近い、と考えてみるならば、
厳しい冬を居心地良く乗り越えるためインテリアや色バリエを工夫する、その気持ちが理解できるような気がする。





と、今日はここまで書いて、あることに気がついた。
認めたくないけど正直に書こうと思う。
私はここに来てから寂しかったんだなと思う。

チャオさんの帰国を聞いて取り残されるような気がしたのも、
出発1週間前から毎日つけているこの日記が昨日初めてうまく書けずに苦労したのも、
ここに来てからラウンジにいた時間がやたら長かったのも、
ケータイのアドレス帳に旅行中の連絡先を送ったら届かなかったものがあって何とも言えない気分になったのも、
あまり眠れないのはお日様が見えないゆえの時差ボケのせいにしようとしたのも、
朝からサウナに行こうと思ったのも、
なぜかやたらお腹が空いたのも、
顔に吹き出物ができたのも、
昔のことばかり思い出したのも、
返信が滞っていたメールを早く処理しなきゃと思ったのも、
しかもその文面がやたらハイテンションだったのも、
旅行に出てからやり取りしたメールを全部読み直したのも、
ブログの日本語が読めないという外国の友人に対処する手段を考えたのも、
宿の近くで見つけたバスケコートに誰かいないか頻繁に見に行っていたのも、
強風雨のなか人がいそうなところに出掛けようと思ったのも、
まず郵便局に行ってポストカードを出そうと思ったのも。

うわ。こんなにあるのか。

私は誰かと繋がりたかったんだ。


今日はたくさんのフィンランド人を撮った。でも。
3日半ここにいて私自身が一緒に写ったフィンランド人はタイ料理屋のサンタクロースみたいなおじさんだけだ。
しかもそのおじさんに会いたくて、一昨日だけじゃなく昨日の夜も同じ店に行った。フィンランドにいるのに2日連続タイ料理。


フィンランド人は、今までのような友達の作り方が通用しない。
宿でもしゃべる機会はあったけど一度も一緒に笑い合っていない。
心の距離のとり方が難しい。
控えめ過ぎる優しさなら、無視される方がマシかもしれない。
それがこんなに自分に影響しているとは思わなかった。


フィンランド人たちの色のセンスが抜群でよかった。
今日何度断られても諦めなくてよかった。
そうじゃなかったらきっと旅の途中で後悔してた。



<今日のグルメ>
CIMG1661.JPGここで食べきれないほど注文してしまった。
駅近くのレストラン。
ピザにチーズの入ったパンに山盛りのスープ。
会計のときに後悔した11.5ユーロ≒1840円。
きっと美味しいものを食べて寂しさを埋めたかったんだろうと思う。

プロフィール

徳田和嘉子

  • 徳田和嘉子
  • 1983年生まれ。東大法学部卒。
  • 来年春から社会人。その前に夢だった世界一周へ。
  • 「東大生が教える!超暗記術」著者。
  • 尊敬:緒方貞子さん。
  • 趣味:バスケットボール、ベリーダンス、サーフィン、バイク。

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