【ギリシア】 アレクサンドロス大王呼称争い

2007年09月03日

夜行列車でベオグラードを出て、ギリシア南東の町Thessalonikiテッサロニキへ。
夜中2時に叩き起こされてセルビア出国手続き、しばらくしてマケドニア入国手続き。マケドニアはユーロトレイン加盟国ではないのでユーレイルパスで下車できないが、通過手続きは有り。出国や入国では、パスポート回収、荷物チェック、出入国カード提出、質問、返却などを1回1回行うので、その度に起こされる。

現在、マケドニアの正式名称はFormer Yugoslav Republic of Macedonia、略してF.Y.R.O.M.、「元ユーゴスラビア共和国のマケドニア地方」という意味。
ナーンデナーンデナンデ?なーんでそのまま“Macedonia”じゃないの?

この国名は対ギリシア政策。ユーゴ解体で、マケドニアがMacedoniaという国名にしようとしたら、ギリシアが文句をつけたのだ。「マケドニアはギリシアの地方名だ!勝手に取るな!」
紀元前300年頃、アレクサンドロス大王によってマケドニアは大帝国となり、ギリシアを手中に収めて東方文化と融合させたヘレニズム文化を生んだ。
アレクサンドロス大王はいわば英雄。当時のマケドニアという呼称を巡ってこの国は1歩も譲らず、マケドニアはF.Y.R.O.M.という名を採用してMacedoniaをキープしたというわけだ。

寝付く度に起こされて、眠い目をこすりながら、F.Y.R.O.M.に上る朝陽を眺める。


到着後、エーゲ海を右手に見ながら、ギリシアにおけるマケドニア地方代表格の町・テッサロニキの海岸沿いを歩く。
残念ながらテッサロニキのエーゲ海は港になっていて、ムードといった類のものはほとんどない。突き刺すような陽射しを発光している青空がせめてもの救い。海に張り出した15世紀建立のWhite Towerは全く白くない茶色いレンガ造りの塔だが、街のランドマークに相応しく堂々とそびえ立っている。


工業ちっくな海に飽きた私は海沿いから通りを1、2本内陸方面に入ってみることにした。
こっちはなかなか面白い。マンションが立ち並ぶ街だが、その合間合間にロシア正教会やらカトリック教会やらアルメニア福音教会やらローマ帝国の遺跡やらがわんさか。ギリシア正教会の教会が多いのも、元ビザンツ帝国の首都Salonicaサロニカらしい。古代からギリシアが地中海地方征服の要地であった性格がよく反映されている町だ。


せっかく海まで来たし魚食べたいな~と魚専門レストランへ。おすすめの白身魚をチョイス。
店のギリシア人マネージャー・パパロッティPaparetroyは以前世界一周旅行をして来日したらしく、「東京、千葉、横浜、四日市、大阪、境、九州に行ったよ。懐かしいなぁ」と言いながら食前酒ラクをサービスしてくれた。
別のテーブルで食べていたマントジョイスMantjouisも話に加わってきた。ワイン製造会社の経営者で奥さんが福島出身の日本人らしい。ワイン作りを学ぶためフランスに滞在していたとき、画家である奥さんと出合ったらしい。彼が作っているワインをご馳走してくれた。わざわざ取りに戻ってくれて、作りたてでまだラベルも貼られていないワインを3人で乾杯★!
あれーパパロッティ仕事中じゃないの?(笑)
まさかギリシア人と日本のローカル話を肴にして飲むことになるとはねー!


 朝まで飲み明かそうぜ~と二人に、残念だけどと別れを惜しみつつ店を出る。

そろそろ行かないと。
 普通はここから南のアテネに行くのだろうけど、東が私を呼んでいる。
さあ行こう。
私を待っている人がいる。


<今日のグルメ>
 海辺の魚レストラン。エーゲ海で獲れたて、鯛の仲間の白身を頂く。オリーブとバジリコで外側かりっと焼いてあり、中はふっくら。サイズ大だったけど、ぺろっと平らげた。
パパロッティが出してくれた食前酒。ブドウから作られるラクという強い酒。水で割ると白く濁る。
マントジョイスが作っているワイン。ラベルなし。少し酸味がある赤、3人であっという間に空っぽに。お仕事中のパパロッティが一番飲んでたわ(笑)

プロフィール

徳田和嘉子

  • 徳田和嘉子
  • 1983年生まれ。東大法学部卒。
  • 来年春から社会人。その前に夢だった世界一周へ。
  • 「東大生が教える!超暗記術」著者。
  • 尊敬:緒方貞子さん。
  • 趣味:バスケットボール、ベリーダンス、サーフィン、バイク。

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