【中国】 人民日報記者&在日コリアン&北京大学生と考える―中国共産党・北朝鮮問題

  • 2007年07月04日(水)
  • 23:43

北京にて出迎えてくれたのは、加藤嘉一ことヨシ。
我が盟友ジョッキーこと朝倉氏の紹介である。ありがたや。



いやはや、こいつぁ凄い。
北京大学国際関係学部の4年生。
日本人留学生会の会長を務め、成績優秀。


完璧な北京語の発音。中国人すら彼を中国人だと思っている、(実は日本人なんだ、というと現地人がびっくりしたような顔をしている。)まさにMr.ローカル。


そして、誰とでもすぐ友達になる明朗な性格、最後までやり切る根性、陸上長距離走者の体力、日本と中国の将来について真剣に考える熱い志で、あらゆる方面で奔走。


日中米のメディア、政府、ビジネス界において引っ張りだこの人物。


海外の大学へ留学して、その国トップの高校で教師も勤め、自分がレギュラーをするテレビ番組を持っている人が果たして他にいるだろうか。


今、中国で最も有名な日本人の一人。



とまぁ、超人のように書いてしまったが、私が彼を一番尊敬する点は常に努力し続けているところ。


昨日はヨシと深夜までビアガーデンで飲み明かす。



今日は北京一素敵な場所だという、胡同(ことう)をヨシに案内してもらう。



「発展」という方向へ音を立てて変容していく北京の各主要メインストリートを1歩入ると、昔ながらの北京っ子が住む下町が広がる。


この混沌さがいかにも中国らしい。狭い路地に椅子を出し、裸に近い格好同然でのんびりと午後を過ごすおじいちゃん・おばあちゃん。1歩外が嘘のようにゆったりとした時間が流れる。


ええのぅ。





夜は、ヨシの北京大学の親友・李志善(チソン)と彼のお父様・李太龍(李憲一)さん、人民日報の記者リャオさんとその後輩で、客家料理を頂く。


甘辛く蒸したスズキと、岩塩の釜に入れて焼いた串刺しの海老が美味やわぁ。


 


 


チソンは在日朝鮮人。高校まで日本にいて日中韓英の4ヶ国語を操り、6カ国協議などでは通訳ブースで活躍する…やっぱり世界にはとんでもない学生がいるもんだ。


日本人とのハーフで、祖国朝鮮の問題に将来を捧げたいと模索中。


サッカーの腕前もプロ級!!のナイスガイである。



チソンはちょうど明日が卒業式なので、日本からお父様が訪中。
太龍おじさまは、朝鮮半島統一に文字通り「命を懸けている」とおっしゃる。


統一を何と捉えているのか、と質問をぶつけてみた。ちなみに、昨日の韓国で珍姫さんには、「若者は故国統一に反対。なぜなら、韓国側にとってメリットがない上、コストがかかりすぎる。」と聞いていた。


「アジアの安定のためには、朝鮮半島が統一されることが一番だと自分は考えている。だから祖国統一に頑張っているんだよ」
「北朝鮮を訪問してみると、確かに辛い生活を強いられている国民たちも多い。しかしその一方で、みなアジアの平和のために頑張るんだ、という使命感に燃えているんだよ。これは、北朝鮮の教育では徹底して行われている。」



日本の報道は、金正日の個人的な健康状態だとか女遊びだとかにばかり注目しているが、本質を見ようとしているのか。


北朝鮮の外交手腕はやはり認めざるを得ないほど上手く、一方で日本政府が拉致問題や核問題を外交の手札としてうまく使えていない現状もある(時間稼ぎをしているならまた話は別だが。)


日本の後手後手の外交が変わるにはどうしたらいいか。内圧として、世論及び私の同級生たちが省庁内で頑張っていることは知っている。


しかし、日本外交の性格上、変化の影響力があるのは外圧であり、北朝鮮問題が最も効果が高いと考えていた私は、太龍おじさまの意見に賛成するところも多かった。


ただし、北朝鮮の実態は正直よくわからない。太龍おじさまのおっしゃる教育も実際にどこまで行われているのかわからない。
北朝鮮に行けないかなー。


 


一方、人民日報・国際部のリャオさん。清華大学卒のエリート。
人民日報は政府のプロパガンダじゃないの?と聞いたら、「対ドゥイ(そうだ)」と明快な答えが返ってきた。


それでもいいと思うのか、むしろなぜそれがまかり通るのか、という質問には、


「政治家以外にも、ビジネスマンや外国人に至るまで人民日報は読まれているが、みな加工された情報だとわかった上で、行間を読んでいる。われわれの役割は、物事に対する共産党の意向を随時伝えること、そして行間で真実を伝えること」
という。


社会主義のプロパガンダが現代で担う役割、なんて面白いメディア構造。


 


ただ、彼がこの仕事を選んだのは「戸籍」が問題だという。


中国では、労働力の流動化を防ぐため、農村部と都市部の間に戸籍というストッパーがある。
戸籍問題のため、就きたい職業に就けない現状。


リャオさんは、もっと収入のある仕事に就きたかったが、田舎出身の彼は北京戸籍が欲しかったため、
それが手に入る人民日報の記者という職を選んだ。
(超優秀な一握りの人間に限り、戸籍の壁を越えられる仕組みになっているのだ。科挙の流れか)


共産党の作った戸籍制度で仕事の選択肢を狭められ、それでも共産党の手足となって働くことをどう思うの?と多少いじわるな質問をしてみたら、


「制度云々ではなく、その中で自分が何を感じどう行動していくのか、自分をどう最大限に生かすのか、という方が自分には大事。貴方も、仕事を始めたら自分がやりたい領域と仕事が求める領域が食い違ってくることもあると思う。そういうことを感じながらも、精一杯頑張ってほしい。」


という答えが返ってきた。賢い人だな。


 



チソンに、中国で学んだ最も大きいことは何?と聞いたら、


「スケール」


という答えが返ってきた。



中国では、何をするにも幅がでかい。土地、人口のみならず、不屈の精神、バランス、物事を進めるときの緻密さと適当さ、スピードの緩急、その影響で自分の考え方の幅が広がったという。


でも、限界まで行くと、必ず「共産党」という壁にぶち当たる、と言う。


 


そうだ。中国には共産党というイデオロギーが本当に強い。


日本で国際関係学を学ぶ、というと、もちろん優秀な学生が集まってはいるが、ややもすると定義が曖昧で“広く浅く”に陥ってしまいがちだな、というのが個人的な勝手な見解だったのだが、中国で国際関係学を学ぶと、大前提として「中国共産党」があるのだ。


これが定義となって、その上に学問が形成されていく。そのような形でチソンもヨシも、4年間学問をやってきたのだ。



学問に留まらず、国内で起こることは何でもそう、共産党が大前提。
その枠の中でなら、何をやっても許される社会。


アメリカだったら、大前提は「国益」となるのかもしれない。


日本は、日本人は、ここまで明確な定義を持っているだろうか。


 


ふぅ、初日からかなり濃いぜ、北京。

【中国】 北京オリンピック2008

  • 2007年07月05日(木)
  • 23:04


今日は北京大学卒業式。
東大の三四郎池にあたる北京大学の未名湖で、ガウンを来た卒業生を見かけた。



北京大学は世界でも指折りの優秀校だ。東大など目ではない。確か以前見た世界大学ランキングとやらでもかなりの上位だった気がする。


何せ3000人の枠に840万人が応募、倍率など考えただけでくらくらする。


天才たちの集まりと言うことに加え、計り知れない現在の中国国家の注目度が相まって、今北京大学を訪問する要人は他と桁違いのレベルである。


ブッシュ、ライス、ビル・ゲイツ、アナン事務総長、緒方貞子、真山仁(『ハゲタカ』の作者で、現在『北京2008』を東洋経済で連載中)…。


北京大学、そして凄まじい勢いで発展する北京にいると、世界の動きを感じる。



街中では、どこもかしこもオリンピックのスローガンで溢れかえる。


しかし、東京オリンピックは高度経済成長の引き金になって、日本に中流階級を大量に生み出したけど、果たして北京ではどうなるのかな。


格差の激しい中国で8割を中流階級にするなどありえない。
オリンピック後に一体何が起こるのか。



中国では8は縁起のいい数とされる。
オリンピック開幕は2008年8月8日8時8分。なんつー戦略や。
今回のオリンピックは政治だ。夏真っ盛りの北京は猛暑、選手のことなど何も考えていないね、という話も耳にした。



地下鉄で向かった先の王府井(ワンフーチン)でヨシと分かれ、ひとりぶらぶら街歩き。


有名な天安門へ。塀が大き過ぎてなかなか門まで辿り着かない。
天安門広場は広大、バチカン市国を思い出させる。













歴史を感じさせる故宮。
入口閉鎖まで2分あるのにケチなチケット係が中に入れてくれなかったので、帽子を目深に被り団体客の一員の振りをして入口を通過。悪い子でごめんちゃい。
おおー。ここで皇帝が治世をしたのかぁ。
しかし、工事中が多い。これもきっとオリンピックのための修繕。



景山公園に入り、故宮を見下ろす。
ヨシから借りてきた『イチロー252の言葉』を読んでのんびりする。
風が気持ちいい。





北海公園の方へ抜けて、池の脇をぶらぶら歩く。
夕日が綺麗。
散歩コースに最適。





脇道を行くと胡同(フートン)があった。
北京の面白いのは、著名建築物や乱立ビルの合間に、こういった下町風情の庶民住地が広がっていることだ。
建て壊しが多い。中国人はあっと言う間に壊してあっという間に作り変えてしまう、とヨシが言っていた。


 



 



一人っ子政策の象徴のような風景。
レースひらひらのお姫様のようなドレスを普段着に着る幼い女の子を何人も見かけた。


 


 


そして北京の渋谷のようなところに出る。
店の様子も行き交う人々のファッションも日本と変わらない。












疲れたのでマッサージへ。
あまりの気持ち良さにヨダレ垂らして爆睡。
北京に着いたときに買った70元≒1050円のプリペイド式の携帯に何度もヨシの着信が入っているのすら気づかず。チソンまでメールをくれている始末。
心配掛けてごめんなさい。
ちなみに北京のケータイも日本のと全く同じ。



***


ヨシのお陰で、16日北京発・モンゴル・ウランバートル行きシベリア鉄道の切符がゲットできた。
それまで時間があるので、無理を承知で北朝鮮かチベットに行きたいと言ったら、
「北朝鮮は今自粛令が出てるからビザ取得がいつになるかわからないけど、
チベットは中国人のツアーでよければすぐ手配してあげるよ。」
マジですか!
行きますとも!!
というわけで、9日夜からチベットに向かいます。


【中国】 自殺率の一番低い国

  • 2007年07月06日(金)
  • 23:50

北京の街を歩く。


・中国の新聞は中国の匂いがする。
・新聞配達はなし、街中のスタンドで買う。
・7割は信号無視、事故に遭うのは自己責任。
・バイク・チャリで溢れていたのはとうの昔。今はフォルクスワーゲンがばんばん走る。


・列の割り込み当たり前。
・北京の日中気温35度。
・自炊するより外食する方が安い。1日30元≒450円あれば十分。
・北京っ子は巻き舌が好き。標準中国語とは違う。


・北京語と上海語も全く違う。方言のレベルを超え、まるで違う言語のよう。
・中国語には「ごめんなさい」の言葉はない。自分の否を認める文化はない。
・どんなときもトイレットペーパーは手放せない。
・衛生の観念に乏しい。


・ここ数年で女の子はメイクをするようになったが、脇の下などのムダ毛処理はしていない。
・日本と変わらぬ商品。精神より物質が先行している。
・マクドナルドよりケンタッキーが、ソニーより韓国系サムソンが強い。
・とにかく人、人、人。多過ぎる人口がこの国を圧迫している。



日本からの留学生・翔くんの好意で、宿から北京大の寮に移ることにする。
タダって何てありがたい。謝謝。



夜、太龍おじさまに紹興料理をご馳走していただく。
チソン、チョン・テギョン(大慶)くんも一緒。


おじさま曰く、
「中国人は車で決してバックをしない。謝らないが、相手を負けさせる懐の深さがある。
中国は人口比の自殺率(先進国中?)が一番低い。
彼らは合理的で、余計なストレスを溜めるようなことをしない。」


なるほど。そういう感じも受ける!上に追加したい。



「歴史を勉強するのは、社会の流れに常に敏感であり、ここぞというときに明確な判断を下せるようにするため。だから私は勉強し続ける。」


在日コリアンとして活躍するおじさまらしい発言。その勤勉さには見習うべきところが多い。
特に旅をしていると、歴史の勉強や社会の流れに敏感になることがどれほど重要か痛感する。


紹興酒が進む進む。


最近の流行のスポット、后海(ホウハイ)のバーに場所を移してウイスキーを飲む。
ここでの会話、最高だった。
ただ、自分の力不足・認識不足も痛感した。
もっと大人になりたい。


その後、ほろ酔いになった太龍おじさま曰く、


「ダンナ探しで世界一周なんて恐ろしい女だと思った。俺たちの頃は男が女を選ぶ時代だった。」


「あなたのような女性とは結婚はしたいと思わない。でも恋愛はしてみたいと思う。」


そこでこっそり、私の旅の真意をお話した。


みんなには内緒よ、おじさま。


夜も更けていく。



<今日のグルメ>



太龍おじさまの薦めで、毎日の食の記録を付けることにした。


后海近くの伝統的な紹興料理屋。紹興酒に合うメニューが勢ぞろい。
誰もが頼むのが茶色い豆。味付けはなんとハッカ。
そしてスズキの煮付け、蟹、海老…と盛りだくさん。
濃い目だが決してくどくなく、箸が進む。
温めて飲む紹興酒が最高。
一人用の熱燗キットがかわいらしい。


【中国】 万里の長城で万里の友

  • 2007年07月07日(土)
  • 23:13

北京に来たら万里の長城へ行け、ということで、徳勝門からバスで向かう。


八達嶺行きのバス停はすごい行列だが、知らないおじさんが、「こっちへ来い」というようなことを言う。
ついて行ったら一番前に割り込ませてくれた。
中国人は割り込み当たり前、郷に入っては郷に従え、ということでありがたくすぐバスに乗り込む。



よっしゃ登るぜ!!



6月で学年が終わる中国は今夏休み。土曜日ということもあって人・人・人。
万里の長城・八達嶺は人で溢れかえっている。
歩くだけでも体力を使うので、暑さも相まってみな顔はしんどそう。


観光化されているのが嫌なので、人々を追い越し南の端の方まで行き、行き止まりを乗り越えて飛び降り、誰もいない部分を歩く。



うーん、爽快!!風が気持ちいい!!!
どこまでも続く長城。
遠くの山の隙間にまでちらちらと見えて感動する。
これを延々と造り続けた中国人のパワーはすごい。



同じく塀を乗り越えて後ろからやってきた中国人JANたちと仲良くなる。
ソフトウェア会社勤務ですごい陽気。こっちまで楽しくなる。スプライトときゅうりをごちそうしてくれた。


ドイツ本社から出張で来ていたステファンも紹介してくれた(僕は命が惜しいからここで待ってると言って彼は飛び降りてはこなかった笑)。
ドイツに来るなら案内してくれるという。よっしゃ!!万里の長城で万里離れた友達ができた〜!


夜は、私に寮の部屋を提供してくれた小山翔くんとチソンと一緒に寮の部屋でビールを飲みながら語り合う。
二人は留学生によるボランティアグループを組織していて、今中国で格差が問題になっている東北の農村部などで活躍。
二人とも先日北京大学を卒業。おめでとう!


翔くんは明日日本に帰り、明後日から日本の金融機関で働くことが決まっている。


チソン曰く、


「共産主義なんて建前だってみんなわかってる。」
「今は経済発展で清華大学出身のテクノクラート(清華大学は理系で有名)が中央部に多いけれど、それが成熟したら思想系に強い北京大学出身者の時代が来ると思う」


翔くん曰く、


「中国は政治変動が多かった国。根本はずっと変わっていない。」
「その中で中国の将来を考えたら、今の最優先課題は、医療<教育。」


後は恋愛話、将来の話…夜は更けていく。


<今日のグルメ>



夕飯はチソンと翔くんにお供し、北京大学の南、海淀橋を通り過ぎた本屋の隣の麵屋さんにて。看板も何もなく、知る人ぞ知る地元の店。
砕肉拌面、10元≒150円。この店の定番。
たっぷりの野菜ベースの具とほどよい硬さの麺が絶妙に(大げさ?笑)絡み合う!
地元の人らしく、生のにんにくをかじりながら食べる。息の臭さはご愛嬌。お好みでお酢をかける。

【中国】 バスケ勝負中国編・“生意”

  • 2007年07月08日(日)
  • 23:32

気持ちのいい朝。北京大学内をランニング。
バスケコート発見!
こりゃ勝負するしかないっしょー!
北京大学生、かかって来い!!



始めはそばでじーっと見て、次にボール拾いに協力し、そのうちシューティングの仲間に入れてもらう。
そして勝負を申し込み、5点先取の1on1で話がまとまる。
いざ!


結果。
2勝0敗で1位♪
あたしに勝とうなんて10年早いのよ(注:バスケになると人が変わります)。
勝ったぜ中国!笑


大学3年のときにカレッジリーグの遠征でソウル・香港・杭州で試合したことを思い出す。


杭州では反日運動がひどく、試合中は満員の客からブーイングの嵐。
ファウル数や試合時間、得点などを誤魔化された思い出がある。
私も首にエルボーをくらって呼吸困難で一時交代(もちろんファールにはしてくれなかった)。
勝ったからよかったけど。
試合終了の合図がドラゴンボール天下一武道会のドラとそっくり同じだったのが面白かった。


寮部屋で中国の政治史や政治体制についてネットサーフィン。
ここにいると自分の勉強不足を痛感すると共に、泉のように興味が湧いてくる。


解約したドコモのアドレス帳バックアップデータを取り込むのにWindows Office のAccessが必要、ビューワーのダウンロードに失敗したので、一人ぶらぶら電気屋へ。
海賊版のOfficeセット(Word,Excel,Powerpointなど8種類ほど)がなんと150元≒2250円、値切って80元≒1200円。安!!
知財法問題のリアルがここに。


でも店員と交渉(巨大電気屋は英語可)したら、私のVAIOタイプTに入っている本物版と互換性がないかもしれないのと、中国語と英語のソフトしかないので結局保留に。


午後はチソンの部屋に遊びに行って将来を語り合う。
朝鮮と日本は徳之島にルーツを持つチソンは、中国で学び、再来週からアメリカに旅立つ。
朝鮮統一をライフワークにしつつ、それをさまざまな角度から捉えようとしている。
その原動力は何か。
アイデンティティとは一体何か。


カナダ国籍の香港人、知予(ユジン)とも友達になる。彼もオーストラリア系の金融機関へ。
易々と国境を越え、オリジナルのアイデンティティを持った彼らは、新しい時代を担うリーダーになるに違いない。
私も頑張り続けよう。努力を止めることは絶対にできない。そうすれば必ず、道が交わる時が来る。そのとき胸を張って再会したい。



夜、加藤千洋さんから夕食に招待していただき、胡同へ。



朝日新聞編集委員・テレビ朝日コメンテーターを務められ、「報道ステーション」などでよくお見掛けする方である。つぶらで少年のような瞳が印象的だ。


今夜のお洒落なお店を紹介してくださったのは原口純子さん。雑誌『BRUTAS』などに携わる在中13年の素敵な女性。13年前にパリから北京に移られるという、その先見の明に驚く。インテリアや旅行などは企業とのタイアップ記事が多く、経済発展と深く連動するお仕事だという。


今回の加藤さんの来中目的は、朝日新聞の連載記事の取材。
中国の農村・都市格差において、「今日取材した教授の意見で、“農民は今のままでいい、彼らはしたたかに強く生きている”というのがあって面白かったよ。」とおっしゃる。
チソンが農村援助のボランティア活動をしていたこともあり、話が盛り上がる。


「中国人は転職が当たり前。13年前からの友達で今でも同じ職に就いている人はいないのよ」と原口さん。


それを受けて加藤さん、
「中国では、商売のことを“生意”と書く。“生きる意味”だね。」


そう、中国人は強く生きている。都市でも農村でも、商売の天才・中国人たちはそこに生きる意味を見出し、常にポジティブにどんなことがあってもめげずに前進し続ける。それがこの国のパワー。


私の“生意”はなんだろう。しばらくは、旅、ということにしておこうか。



その後、チベットへと向かう私をヨシ、チソンが北京西駅まで送ってくれた。
ありがとう。二人とも大好きだよ。
もっともっと成長して、将来必ず再会したい。


<今日のグルメ>



原口さんオススメの“paper”。后海近くの胡同に佇むモノトーンがお洒落なお店。
マレーシア系の店主が中国人店員に英語を徹底させ、有機野菜を使うこだわり。
海老、鮭などが繊細に調理され、東南アジアに起源を感じさせる味付け。モヒートの爽やかなミントが夏にぴったりで美味しい。


…それにしても私太ったなぁ。恐るべし食の大国。

【中国】 地球上から麻疹が消える日

  • 2007年07月14日(土)
  • 01:32

道端で売っている揚げパン(豆乳に浸して食べる)とレタスと卵を皮で包んだものを朝ご飯に買って食べ、今日はヨシのNHK取材にくっついていくことにした。


NHKのBS放送と中国の放送局の共同企画で、日本に住む中国人・中国に住む日本人を各10人ずつ選んで放映するという。ヨシもその一人で、10月頃放映予定。



取材班の小澤さん、岸田さん、シュエさん、フオさんと挨拶。
寮にて、ヨシの中国に対する考え方、日本のメディアのあり方、自分の生き方などが話されていく。
彼は本当によく考えている。
ここの部分の放映だけでも価値がある番組になる気がする。



食堂に移動し、Happyという意味の高興(gaoxing)がニックネームの天才インド人と、その彼女で韓国ルーツの杜曼欽ちゃんと会話。
北京大学はこういう人がいるから面白い。


 





その後、今度ヨシと共著で対談本を出す山奇さんとのインタビューを見学。
山奇さんはMTVのアジア代表を務め、現在中国を代表する音楽イベントプロデューサー。
私が家庭教師をしていたSちゃんやニチベイで一緒だったサトシがMTVを目指していることを話すと、にっこりと笑顔を見せた魅力的な方。


7月中旬、『七日談』発売。


 


光栄なことに、夜はWHOの予防接種拡大計画・中国担当医務官、高島義裕さんのお宅にお邪魔させていただく。大阪出身の愉快で素敵な方である。ユネスコのパワフルウーマン・矢野さん、その姪のけいちゃんも一緒だ。
高島さんの手料理を振舞って頂いた。懐かしい日本の味を思い出す〜!


出発前、旅行のためにと思い日本のガイドラインに従って予防接種を受けた結果、医者の言うことに振り回されてしまった私。
事勿れ主義の日本のガイドラインと、WHOの基準は異なっている。しかしWHOに強制力があるわけではない。
また、高校時代、国連に憧れて組織を調べたことがある私は、国際機関には理念の曖昧さや組織力の点で限界があると思っていた。


高島さんにとってのWHOって何だろう。
お聞きして驚いた。


高島さんの目的は、地球上から麻疹を無くすこと。天然痘のように。
WHOはその目標実現の手段だという。


理屈の通じない中国農村の奥地の奥地にまで出向き、犬や馬や豚と同じ小屋で寝起きしている農民たちや現地の特権意識の強いお役人たちと機転を利かせて交渉。
徹底的に調査し、麻疹対策を練り上げている。


こんなに熱い方がいるだろうか。


徹底した現場主義は、私が大学1年のときに“sustainability”の本当の意味を教えてくれた国境なき医師団の山本敏晴医師を思い出させた。山本医師もシエラレオネで命懸けで医療援助をしていた。


日本国内では麻疹で大学閉鎖などの問題が起きたばかり。
この違いは一体なんだろう。


いつか地球上から麻疹が消える日が来るかもしれない。いや、絶対来る。


私はまだ貧困や医療援助が必要な現場を知らない。旅の先は長い。


 


この日見た夢。暗示的な夢。



中国の海のように大きい川の水底に自分たちの力では十分な餌を取れない半魚人が住んでいて、そこまで潜って餌を届ける一団がいる。


どうやら私もメンバーの一人。


餌の質を高めよう、料理と呼べるようなものにしよう、といつも試行錯誤している。


調理法を変えられないだろうか。水に浸っても形が変わらないようにするにはどうしたらいいか。お皿に載せたまま水中を運べないだろうか。


ある日を境に、陸でテポドンが発射され始める。


テポドンは着水すると魚雷に変わり、水中をものすごい勢いで轟々と通り過ぎていく。


それでも半魚人の生活と私たちの仕事は続くが、もうこれ以上は危険というときに、ヨシを中心に対策を練り始める。



そこで目が覚めた。



<今日のグルメ>





山奇さんオススメの茶館“百年香 PUER SALON”
会員制のため普通は入れないらしい。謝謝。


薔薇の花を浮かべたプーアール茶を頂く。飲む瞬間にバラの香りが立ち込めて、何とも言えない幸福な気分になる。


プーアール茶は緑茶と違って古ければ古いほど良い。保存して発酵させる。これは600年前の木から取り出した葉だという。


時間が経つと、写真左から右のように色が濃くなる。胃腸に一番優しいお茶。

【中国】 洗濯物事件

  • 2007年07月15日(日)
  • 01:49

北京大学の寮で洗濯機を回していた。
干そうと思ってフタを開けると…


 



オーマイガッ!!


 


空っぽ!!!!


 


 


 


 



あたしの洗濯物は一体どこへ?



慌ててヨシを呼んで掃除のおばちゃんに聞いてもらう。


「さっき背の低い女の子が全部持って行ったわよ。」


なんですと?
誰??



それから必死に捜索。
結構溜めてたから量もかなりあるぞ…。
てか、持ってきた服の8割だぞ…。
おいおいおいおい。



結局見つからず。
どうしよう…。
あーあ。


明日からモンゴルなんだけどな。
明らかに服が足りないよ。



誰が持って行ったんだろう。


同じ寮の子かな。でも、私背高いから大きめで着にくいよ?
外部の人かな。北京大の寮はガードマンいれど、私が居候できるくらいだから入り込むのはカンタン。
もしそうなら、服を買うにも困っているような人が持って行ってくれているといい。捨てられるのは勘弁だけど、そういう人に使ってもらえるならいいよ。


バスパ16のみんなごめん。青Tシャツなくなりました。



こっちはこっちでもう服を買うしかないな。
服の巨大市場・秀水街へ行くことに。


北京内に市場はいくつもあるけど、秀水街は外国人向けの巨大ショッピングセンターになっていて、価格もちょっと高め。
しかも相当な高値を吹っかけてくるから、ネゴシエーション勝負の場でもある。


驚くのは、店員さんはみんな英語は全く読めないけど話すのはぺらぺら。
“生意”魂ね。


元は青空市場だったのを観光客向けにビル化したので、その名残りで内部も小さなブースの店が所狭しと並ぶ。
ざっと見渡して大体の当たりをつけ、買い物開始!



試着したいと言うと、布を出してきて片方を引っ掛け片方を自分が持って、店の中に仕切りを作る。それだけ。
店員さん、そんなに着替えてるところじろじろ見なくても盗んだりしないっすよ…。


900元≒1万3500円のショートパンツを210元≒3150円に値切って悦に入る。
それでも中国で買うには高い気がする。



困ったのは下着。
中国にはこのサイズ展開しかないの!(なんとカップに対してアンダーが1サイズしかない)と言う強情な店員に、それじゃ中国の下着市場は世界に勝てないよ!てか全部外国メーカーの名前ついてるじゃん!!(パチモンだけど!!)と喧嘩。


でも在庫全部探させたけど確かにないんだよね。
そうしたら、その場で数字にシール貼って隠して、「これは同じサイズだ」と言い切る。
明らかに違うでしょそれ!引っ張って大きく見せてもダメ!!外国人だと思ってナメんな!!!



それでも何とかお互い妥協して話がまとまる。
そうすると、途端に仲良くなる。


「You’re my friend!」
と言ってこっそり店のワゴンの下に呼ばれ、おまけとしてコレをあげる、店頭に出てるのはニセ物ですぐ壊れるけどコレは壊れないから、と言って無理矢理握らせる。
私は私で、ブラウンとベージュの違いを再度教えてあげて感謝される。


ふう、いい試合した後にお互い握手するあの気分だな。


高い値段でも日本と比べりゃ安価と思って、店員とファイトもせず仲良くもならずに終わる人もいるみたいだったけど、色々な意味でもったいないと思う。



地下鉄を乗り継ぎ(5元≒17.5円)、最寄り駅からタクシー(12元≒180円)で帰宅。
今日で北京も最後。



これは中関村の町並み。
交差点に立つとうなりとなって聞こえてくる大量の車のクラクション、想像していたよりぐっと少なくなっている自転車が軋(きし)む音、2台連結したバスの重厚な動作音、新しい駅舎を電車が通り過ぎる音、そして至るところで話される北京語。客を呼ぶ声。値段交渉する声。


 


これが今の北京。


オリンピック後に来たら、また様子が変わっているに違いない。
向上という言葉を知らない中国人は、しかし、変化に対して当たり前に感応し、自分のものにしていく。



<今日のグルメ>



昨晩高島さんのところで食べ過ぎて、今日はほとんど食べられず。
これは昨日のお昼に食べた北京大学の学食の牛肉ラーメン。
茹でた牛肉が添えてあり、中国の麺類にしてはあっさりしていて食べやすい。

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1983年生まれ。東大法学部卒。
社会人としてスタートを切る前に、夢だった世界一周へ。

尊敬:緒方貞子さん
趣味:バスケットボール、ベリーダンス、サーフィン、バイク

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『Zai』(ダイヤモンド社)「ミニ株バトルコーナー」連載(06年7月号〜07年7月号)
『社労士V』連載(日本法令)(07年10月号〜)
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