【セルビア】 2種類のPivoとフォークダンス

  • 2007年09月02日(日)
  • 00:37

早朝出発したユーロバスでSerbiaセルビアの首都Belgradeベオグラードに着き、まずは長距離バス乗り場に隣接する駅にて列車の時刻表を確認する。

ボスニア・ヘルツェゴヴィナまでと違い、ここではロシア語アルファベット、つまりキリル文字での表記になっている。スラブ系や。…ぶっちゃけ全然読めん。行き先わからーん。
大きけれど寂びれたベオグラード駅であれこれ予定を考え、結局ギリシア・テッサロニキ行きの夜行列車に乗ることにして切符を買う。

ホームの外れにある吹きっさらしの荷物預かり所で1個あたり100dinディナール≒160円で荷物を預けたら、出てきた薄い緑色の目をしたガタイのいいおっちゃんが、コーヒーでも飲んでいかないかと言う。
荷物を運び入れるのと同じ穴からヨイショっと中に入って、おっちゃんの淹れてくれたコーヒーを有難く頂く。ラジオや小さな冷蔵庫のある片隅のガスコンロで、金属製の小さな取っ手つき鍋の湯に挽いた豆をそのまま入れて煮立て、小さな小さな金属製のカップに注ぐ。そのどろっとした黒い液体はむちゃくちゃ濃くて、砂糖をたっぷり入れて飲む。最後には溶け残った豆がスプーン1杯ほども残る。

ボスニア&ヘルツェゴヴィナあたりから見るようになったケバブ(ケバチチ)もトルコ起源(もっと後から考えてみるとこの料理はイラン以降中東・アラビア半島にまで及んでいる)だが、後から考えるとこのコーヒーもトルコスタイルの流れを汲んでいた。食べ物の波及は面白い。

おっちゃんはどうやらセルビア人らしい。
あまり英語が得意ではなさそうなので簡単に聞こうと思い、ミロシェビッチの名前を出してみたら顔をしかめた。アルバニア人についてどう思う?と聞いたら、「ノー(何も)。(自分たちと)セイム(同じ)」と明確な答え。

私がここまでで訪れたスロヴェニア、クロアチア、ボスニア・ヘルツェゴヴィナ、セルビアにモンテネグロとマケドニアを加えると、1918年に成立したユーゴスラヴィア連邦の構成国になる。
チトーの死後、80年代にミロシェビッチ大統領が“Great Serbia”を掲げてセルビア人優遇政策開始。92年にユーゴが解体し連邦共和国になると自治権を与えられなかったコソボ系アルバニア人が反発、内戦でマケドニアやアルバニア方面にコソボ難民が大量発生した。

6年前にミロシェビッチは逮捕されてその後死去。去年の住民投票でセルビア・モンテネグロはセルビアとモンテネグロに分離することになった。

とまぁ、現代史の授業っぽくなっちゃったけど。複雑なので自分のために簡単におさらい。

ロシア正教会★の流れを汲むオレンジとピンクのレンガを組み合わせた巨大なSveti Marko教会まで歩き、そこから街の北側にあるKalemegdan Citadelの要塞まで歩く。ここはクルト人の時代から残る要塞で、トルコ風呂やイスラム式の墓が残ると共に、ユーゴスラビアの首都だったこの国で内戦時に使われた戦車や大砲を展示した軍事博物館まである。

そしてなーんと!要塞のお堀にあたる部分が、全て屋外バスケットコートになってる! お堀の淵に立って足元を見下ろす。全部で10面近くあるんじゃないかな。子供向けのバスケ教室が開催されてフットワークをしているコートがあれば、シューティングをしているコート、がちんこで5対5をやっているコートもある。そういえばセルビアってバスケ強かったな〜。お堀ってこんな使い方できるんやな。コートにペイントされているのはバスケ用品メーカーAND1の広告、お堀の壁にはセルビアチームのポスターがでかでか。

要塞全体の雰囲気は、今や市民の憩いの場、といった感じ。ここに続くKneza Mirkova通りにもたくさんのオープンカフェや出店が並ぶ。

そこの1軒で面白いもの発見!
2種類のPivo(ビール)が売っている。一つはセルビアのビール“Niksiscko”、もう一つはモンテネグロのビール“Telen”。
セルビアでもモンテネグロのビール売ってるのねー!
きっとちょっと前まではユーゴスラビアPivoなんてのがあったんだろうな。
思わず2本買って、要塞からDanube川を見下ろして飲み比べ。

夕陽の中を歩いていたら、川沿いのひらけた芝生の上に50人ほどもおじいちゃん、おばあちゃんが集まっていた。
そのうちアコーディオンと★で陽気な音楽の演奏が始まると、隣の人と手を繋いで大きな輪になり踊りが始まる。

おっフォークダンスか。中学のときの宿泊学習キャンプファイヤー以来やなぁ。どうやら日曜夕方の恒例みたい。

私も仲間に入れてもらって、手を繋いだ左隣の陽気なおじいさんにステップを習い、それを右隣の上品な白髪の老婦人に褒めてもらいながら踊る。

このフォークダンスみたいに、異なる民族がひとつになって共存し続けていられたら、内戦もなかったのに。今もコソボの住民が苦しみ続けることもなかったのに。

<今日のグルメ>
スロヴェニア以降、ビールは全て“Pivo”と表示される。同じ言語起源を持っていることが伺える。今日飲み比べたのはセルビアのビール“Niksiscko”とモンテネグロのビール“Telen”。モンテネグロの方があっさりしてるかな。セルビアの方が煙みたいな苦味がある。もちろんburekも売っている。
夕食に食べたのはpljeskavicaというスパイシーなハンバーガー。肉の種類も野菜などの具も辛さも自分で指示できるファーストフード。ケバブが進化したような感じで、辛い香辛料が加わってきたところに東へ来たなぁという気がする。

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旅人

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1983年生まれ。東大法学部卒。
社会人としてスタートを切る前に、夢だった世界一周へ。

尊敬:緒方貞子さん
趣味:バスケットボール、ベリーダンス、サーフィン、バイク

著書

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『Zai』(ダイヤモンド社)「ミニ株バトルコーナー」連載(06年7月号〜07年7月号)
『社労士V』連載(日本法令)(07年10月号〜)
『メモ ノート200%活用ブック』(日本能率協会)
『クロワッサン』(対談 高田万由子さん)
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