【トルコ】 気球でイーグルになった日

  • 2007年09月14日(金)
  • 00:00

昨日の朝見た地球外惑星飛行物体、もとい気球に乗り込んでみることにした。

夜明けと共に向かった先で、ゴォーッという轟音と共に膨らまされていく気球に乗り込む。
 
ふわっと…浮いたー!!



シュオーーーッシュオーーーーッという音を響かせながら、するすると上昇していく。
上空でぽっかりぽっかり浮いて、おひさまとご対面。
 
これは何?夢?ワンダーワールド?

眼下に見えるクリームのようなの地表も、ぽっかりぽっかり浮いている自分の状況も、何もかもが信じられないような世界。



パイロットが「ほら、あそこにイーグルがいる!」と指差す。

遠くでゆったりと優雅に舞うその姿。微かにピィーッという鳴き声も聞こえる。獰猛なはずのワシがなんだか大人しい草食動物のような、仲のいい友達のような風に思える。

ぽっかりぽっかり浮いて、自分の中の鋭い部分もふぅっと消えてしまったんじゃないか。
ぽっかりぽっかり浮いて、自分のどこもかしこも丸くなっているんじゃないか。
ぽっかりぽっかり浮きながら、自分が空に溶け込んでいくような感覚を味わう。




下船後、気球パイロットが午後はひま?と言うので、夕方からカッパドキアを案内してもらうことにした。

Mehmet Atarメフメット・アタール、27歳。どっかで見たことある顔してる…そっか、銭形のとっつぁんだ!
5日前とうって変わって今日は私が不二子役。銭形のとっつぁん、頼むわよん。

びゅんびゅん飛ばすバイクで、Ortahisarオルタヒサルを通ってUrgupウルギュップへ。遠くに100キロ離れた活火山Erciyesアルジェイス山が見える。トルコ札の絵柄にもなっているDevrentデブレントの有名な妖精煙突を見て、これが全くの自然の力だけで創られたことに感動。
 
大学でホテル経営学を学んだ銭形のとっつぁんは、空に魅せられて、卒業後にロシアに留学して気球のライセンスを取得、ニューヨークで観光学を学んでカッパドキアに帰って来たと言う。空が好きで好きでたまらない、空の男。

今朝気球から見下ろしたローズバレーに地上から上る。ここの谷は、周りのクリーム色と違って淡いピンク色をしている。それが赤い色をしたレッドバレーと交差する丘の上で、腰を下ろして夕焼けを望む。
赤とピンクの谷が、夕陽に照らされてますます赤くなっていく。幻想的な風景。

そんなまたとないロマンチックなシチュエーションで、銭形のとっつぁんは切り出した。

「ワカ、僕と付き合わないか」

!!!

しばらく考え、とっつぁんの銭形警部さながらの二股に割れた顎を眺め、しばし考えた。
…ごめん、とっつぁんの気球を操縦する格好良さも、バイクで案内してくれた優しさも、とっても素敵なんだけれど、私には銭形警部にしか見えない…。

やんわり断ったうちに日が落ちて、ふぅっと息を吐き、隣を見たら…、

!!

とっつぁん、顔面蒼白だけど大丈夫!?
しかも少し震えてない!?!?
そんなにショックだったかい…?

「ラマダンで何も飲んでないから喉が渇いてお腹も減ってふらふらする。でもやっと陽が落ちたからこれで解放だ。これから何か食べに行ってもいい?」
 
なんだそっか。もちろん!行こう行こう!
いやーしかしすごいね、ラマダンって。過酷だね。どうしてそこまで頑張るの?

「アッラーの神は偉大だから。僕は死んでから天国に行きたい、だから頑張るんだ。」

イスラム教の断食は、日が出てる間は何も口にしてはいけないルール。水ですらご法度。さらにNo Eat / No Drinkだけでなく、日中はNo Tabacco / No Kiss / No Sexも厳守。

イスラム歴に従って行われるため、毎年時期がずれる。暑い時期に重なった今年は大変だが、来年はもっと大変だ。子ども・病人・妊娠や生理中の女性は免除される。彼が断食を始めたのは8歳のときらしい。ちなみに女の子がスカーフを着け始めるのは10歳前後とか.

断食する意味ってなに?

「断食は身体にいいと言われているのを知っているかい?そしてそれ以上に心にいいんだ。貧しくてご飯が食べられない人たちの気持ちを理解できるし、人々は謙虚になり、周りに優しくなる。」

そして、息も絶え絶え辿り着いたレストランでやっと水を飲み、ケバブを一口入れるとにっこり笑って

「ありがとう、アッラー!」

ととっつぁんは天を仰いだ。
 
…なるほど。
心にいいってそういうこと?イスラム教徒の感覚は面白い。
よし決めた!ちょっと出だし遅れちゃったけど、私も今から断食する!!


<今日のグルメ>


とっつぁんと食べたケバブ。1日我慢していた分、猛烈な勢いで食べる様子は圧巻。ヨーグルトを入れるのが美味。
それから、レストラン近くの胡桃の木から実をとって食べたり、ぶどうを取って食べたりもした。日の入り後は何を食べても自由な時間。

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旅人

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1983年生まれ。東大法学部卒。
社会人としてスタートを切る前に、夢だった世界一周へ。

尊敬:緒方貞子さん
趣味:バスケットボール、ベリーダンス、サーフィン、バイク

著書

メディア出演履歴

【雑誌】
『Zai』(ダイヤモンド社)「ミニ株バトルコーナー」連載(06年7月号〜07年7月号)
『社労士V』連載(日本法令)(07年10月号〜)
『メモ ノート200%活用ブック』(日本能率協会)
『クロワッサン』(対談 高田万由子さん)
『週刊現代』『女性セブン』
『CIRCUS』『日経キャリアマガジン』
『月刊人事マネジメント』
『週刊ダイヤモンド 別冊特集』
【テレビ】
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